日常茶飯事とCDコレクション
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スタイリシュな弦楽四重奏 クロノス・カルテット

 昨日が秋分の日で、今日は雨。ぐっと気温が下がって「暑さ寒さも彼岸まで」がその通りの感じ。彼岸とは、読んで字のごとく「向こう岸」のこと、まあ仏教でいえば解脱して煩悩 ~ 様々な悩み事 がなくなって悟りを開いた状態になること、また阿弥陀如来の領地、極楽浄土のことである。そう、日本の浄土宗や浄土真宗の考え方で、念仏を唱えれば(阿弥陀という仏さんの名前を連呼すれば)極楽浄土に死んだ後連れて行ってくれるという考え方ですね。彼岸に対して煩悩いっぱいの今生きている世界のことを此岸(しがん)という。
 もともとお釈迦さんが始めた仏教には、死後の世界という概念はなかった。そりゃ、当然といえば当然で、輪廻転生を肯定することでカーストを構成してきたバラモン教を否定する思想が仏教なのだから。輪廻転生を前提とする死後の世界を肯定したら何の意味もなくなってしまう。お釈迦さんは、死後の世界を「判らないんだから語ってはいけない」みたいに言っている。それでは、この世の苦しみから逃れる(言い方は悪いが)方法は、といえば出家して修行して、何もかも一切気にならないようになること(仏教では人を愛すれば、その愛した人に執着する、つまりは煩悩が生ずると考えられた。お釈迦さん、余程の女嫌い、子供嫌いだったのかも)、つまり解脱(苦しみのサイクルから外れること)して悟りを開くこと(全く何も気にならなくなること)が重要だ、とのたまわった次第。
 しかし、貧乏人は頭も悪く、出家するほどの財力もなく、修行するほどの気力もない。それじゃあ悟りなんぞ開けるわけもない、日々の暮らしのため、やっぱり現世利益のバラモン教の方がいいや、ということでインドでは仏教が滅んだ。タイなどでは昔ながらの上座部仏教が多少生き残ったが、中国では現世利益の道教と結びついたりした。日本では、キリスト教的な「おすがり宗教」としての浄土宗や浄土真宗が幅を利かした。自分じゃなんとも悟れないので、阿弥陀さんにおすがりして、領地の極楽浄土へ連れて行ってもらおうというもの、もともと農民の宗教らしく「現世利益」的な側面がごっそり抜け落ちていて、お祭的側面は神道 ~ 神社 の担当になったようだ。
 別に死んだ後がなけりゃなくていい、とはあまり人間は思わないようで、どの宗教にも死後の世界について語る。3大宗教のうちで、全く死後世界に言及していないのは仏教だけだが、その仏教もいろいろあって、原初の形のままの仏教など、もうとうの昔に死滅してしまっている。なかなか、煩悩は消えないということか、消えなくても困らないといえば困らないが。

 と、涼しくなって頭も確りするかと思えば、ぼ~・・・・としたまんま、暑さに破壊しつくされたようで。ということで、クール・ダウンのための音楽、現代音楽の弦楽四重奏団 Kronos Quartet の CD のご紹介。

 Kronos Quartet は、1973年に David Harrington によって創設された弦楽四重奏団、現代音楽を中心にありふれたクラッシク四重奏曲以外の、例えば古楽とか民族音楽とかにも触手を伸ばし、夥しい録音を残す。ファッション的にもなかなか尖がっていて、ライヴなどはポップのノリ(ちょっとは違うか)だったとも聴く。
 クラッシク ~ 現代音楽は、作曲家の作った作品を演奏家が演奏するという形を採るので、作曲家の作品集ということで CD を作ると、一部だけお目当ての演奏家ということもある。コレクター的にいえば、ちょっと揃え方が難しい、ということで Kronos については主要レーベルの Nonsuch 盤のみのコレクションとし、一部だけ彼らの演奏のものは購入しないこととした(変に律儀ではある)、まぁそんなに頻繁に聞かない割りに CD 枚数は相当数あるという理由もあるが。

a0248963_15332625.jpg ということで Nonsuch 最初のアルバムは1986年の Kronos Quartet (s/t) 。メンバーは、David Harrington (violin)、John Sherba (violin)、Hank Dutt (viola)、Joan Jeanrenaud (cello) 。最初期のメンバーとは異なるようだが、Joan Jeanrenaud が99年に去るまで長くこのメンバーが続いた。
 彼らの演奏が上手いのかどうか、それは自分の耳では確かめられない。しかし、現代音楽の様々な局面をヴァラエティー豊かに見せてくれる、特に初期の盤は見本市みたいな感じで、他のクラッシクに見られるような退屈さはなかった。彼らの演奏する楽曲の作曲家もロックやポップスを全く聴かずに作曲活動をした訳ではないだろう、リズムや強弱の付け方、和音の使い方などにそれなりの影響は出ているはず、ましてやロックやジャズの曲をアレンジして取り込んでいるこの四重奏団に委嘱された曲であればなおさら。
 本 CD には、5人の作曲家の作品が収められている。1曲目は Peter Sculthorpe (1929~)、オーストラリア人、アボリジニなど原住民の音楽にも興味があるようだ(ラディカル・トラッドなどでよく使われるデジェリドゥはアボリジニの楽器)。17曲もの弦楽四重奏曲を書いているが、ここに収録されたのは第8番。
 次の曲は Aulis Sallinen の弦楽四重奏曲第3番。Aulis Sallinen は1935年生まれのフィンランドの作曲家、調性のある音楽で実験的な側面の少ない作曲家のようだ。8曲もの交響曲を生み出している。
 3曲目はミニマル・ミュージックで有名な Philip Glass (1937~)、ここに収録されたのは Company と題された2番。現代音楽の中でも聞きやすく、多くの曲が CD になっている。Kronos もこの後、Glass の四重奏曲を集めた作品集をリリースする。
 4曲目は Conlon Nancarrow (1912~1997)の四重奏曲。アメリカ人だが、長くメキシコに住み1955年にはメキシコの市民権を取った。自動演奏ピアノのための作品を書いたことで有名、人間には到底弾けない音楽を作った。
 5曲目が、Kronos の名前を世に広めた Jimi Hendrix の Purple Haze ~ 紫のけむり、ほんの3分程度の演奏だが、強烈な印象を残す。

a0248963_15334196.jpg 次の作品集が、White Man Sleeps 、1987年作品。この作品集もごった煮的な印象で、聴くにはヴァラエティーに富んでいて、飽きずに聴き通せる。これがベートーベンだと途中で寝るか、だるくなって楽章の切れ目で聴くのを止め、他のCD をテーブルの上に乗せるか、のどちらかになる。
 Kevin Volans (1949~、南アフリカ)、Charles Ives (1874~1954、アメリカ)など7人の作曲家の作品を収めるが、前作の Purple Haze に対応するのが、Ornette Coleman の Lonely Woman 。これも3分程度ではあるが、印象的なメロディーが強調された良い出来。

a0248963_15335843.jpg 3作目は、Winter was Hard 、1988年作品。この作品になると Webern や Schnittke といった有名作曲家に混じり、これからも親交を続ける Terry Riley やジャズ・前衛畑の John Zorn 、John Lurie 、タンゴの超大御所 Astor Piazzolla の作品など、その守備範囲の広さには目を見張る。多分、リリース時は通常のクラッシク・ファンには良い感じでは見られなかっただろう、アヴァンギャルド・ジャズやロック好きの方に注目されただろうと思う。
 John Zorn の Forbidden Fruit は、石原裕次郎の『狂った果実』という映画に触発された作品とのことで、あの『木綿のハンカチーフ』の太田裕美がポエトリー・リーディングを行っているのだが、これが気持ち悪く決まっていて、一聴の価値あり!と力んでおきましょう、Zorn と太田裕美、どこでどういう接点があったのだろうか。

 といことで、久しぶりに現代音楽、浸ってみるのも良いです。リズム、ビートは気持ちいいけど草臥れることも多い、偶にはまったりと・・・・とはいきませんか、ああ、そうですか。
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by ay0626 | 2012-09-23 14:13 | 現代音楽