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日常茶飯事とCDコレクション
by ay0626
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快調、アルバム量産、それでも佳作多し レ・ゾグル・ド・バルバック (2)

 90年代中盤の頃、ワールド・ミュージックのブームというか、エスニック音楽への関心が高まったということか、かなりの数の 民族音楽のCD が発売された時期があった。キング・レコードと日本ビクターの2社が競って出していたもので、各々百数十枚に及ぶカタログを誇っていた。様々な地域の音楽が集められ、特にキングのシリーズは音も良く、聴き応えのある作品が多かったと思う。しかし、聴き易い音楽ばかりではない、西洋音楽に馴染んだ耳には退屈に聴こえる音楽もままあったし、ヴォーカル曲は特にその感を強くした(もともと器楽が好きで、西欧楽器以外の楽器の音を聴いてみたくて蒐集を開始したので)。
 自分もかなり購入したが、やはり上に書いたとおり好き嫌いがはっきりしてしまって、全てが全て楽しめたわけではない。こうした CD は何処かで試聴出来る訳でもないため、勢い購入して初めて合う合わないが判るもの、そういう意味ではフリー・インプロヴィゼーション作品と似ていなくもない。
 この頃の CD の値段は日本盤で2,500円ほど、当時はまだ給料も少なく子供の保育園代など他にお金の掛ることも多く、ほんの数回聴くだけのものをそうそう買えるだけの懐具合ではなかった。そんな訳で新品だけでなく中古盤も探すことにしたのだが、この手の音楽はそんなに中古市場に出るような代物ではない、春秋の良い季節にはウォーキング・シューズを穿いて、中古CD店ガイドを片手に歩き回ったものだ。ぼちぼちのゆっくりしたペースで集めているうちに、廃盤になるものも出始め結局コレクションはコンプリート出来ないで終わった。
 その頃は、まだインターネットも一般的ではなく、例えばオークションや中古市場の情報を手に入れるのは難しかった。インターネットが今のような状況だったら、多分もっとお金を掛けずにコレクションを完全なものにすることが出来たろうに。また、個別のミュージシャンの蒐集と異なり、シリーズ物では、どうしても良く聴くのと全く聴かないのが出来てしまう、学問として聴く訳じゃないので金を掛ける効率性を考えると余りよくないのではないかと思った次第。
 そんな経緯があって今のような音楽コレクション・スタイルが出来ていった、そう大したスタイルでもないが。また、余程渋い民族音楽まで聴いたせいか、フリー・ジャズ&フリー・インプロヴィゼーション聴取体験と併せ、どんな音楽にも耐性が付いてそれなりに楽しめるようになったのは良かったと思うのである。

 ということで、訳も判らず蒐集し始めた Les Ogres De Barback 。彼らをどうして知ったのか、そのきっかけは定かではないが(どうも最近物忘れが多くて)、それでも大体の作品は集めた。今まで聴いてきた音楽とは傾向が違うようで、共演ミュージシャンなど全く知らない、ということで下らない感想文の類になってしまうかも。

快調、アルバム量産、それでも佳作多し レ・ゾグル・ド・バルバック (2)_a0248963_2274436.jpg 4作目、Croc'Noces 、2001年作品。'croc' とは「牙」、'noces' は「結婚式」、どういう意味なんでしょうね。何時もながらのアート・ワークで、歌詞カードも折りたたむと表紙がジャケットと同じ色調でセンスを感じさせる。広げると裏側はフランス地図の上にキリンに引かれる車(馬車じゃないよね)の上で演奏するメンバー4人、Sam はトランペット、Fred はアコーディオン(ちょっとビロ~ンと伸び過ぎですが)、Alice はコントラバス、Mathilde はフルート。向こう側には赤と黄色の縦じまのテント、'Latcho Drom' の文字、'Safe Journy' の意味で、ロマの人を追ったフランスのドキュメント映画の題名(1993年)のよう、よくは知らない。Aurelia Grandin という人のデザイン、彼らのジャケットは殆どこの人?統一感があり、また演奏内容と上手くマッチしている。
 先ずは 'La Manche (英仏海峡)' で幕開け、軽快なアコーディオンに先導される名曲、ちなみにこの曲、Ogres を作る前の Sam と Fred のデビュー曲のようである。また、後のアルバムの題名になる 'Avril et Toi (4月とあなた)' など印象に残る。メロディーの綺麗な曲が多く、豚の鳴き声の聴こえる曲もあるが、総じて真っ当な演奏が多い。
 基本的には4人での演奏だが、例えば10曲目や13曲目にはハンマード・ダルシマーのような音が聴こえ、ライナーにも 'cymbalum' という単語が見えるところから若干のゲストも入っている模様。それにしても多楽器主義の多彩な演奏で、器楽好きな自分としては13曲目 'Flûte!' (フルートという題名だがフルートの音は聴こえない)のようなインストルメンタルも増やして欲しいが。

快調、アルバム量産、それでも佳作多し レ・ゾグル・ド・バルバック (2)_a0248963_2283772.jpg 5作目 La Pittoresque Histoire de Pitt'ocha(ピット・オシャの絵のような物語)、2003年。この作品の前(2002年)に Un air, deux familles という Les Hurlements d'Léo というバンドとの連名ライヴが出ているのだが、聴いていない。
 この作品、ウォークマンに入れるとジャンルには「子供向け音楽」という表示がなされる。実際、60ページ以上の歌詞とピット・オシャの物語の絵本に CD が付いている。このイラストも Aurelia Grandin 、ルオーの油絵風と我が 'たま' の知久寿焼氏のイラスト感とを合わせたような奇妙な世界を作っている。
 非常に多くのゲストを加えた、というよりお友達を揃えてコンセプト・アルバムを作ってみました、という感じか。あまり、Ogres らしくないところも、彼らの交友関係の広いことは良く判るが、全く知識もないのでコメントしようがない。21曲目は11分を超える作品、朗読劇みたいな感じでフランス語が判らないとちょっと聴くのに苦しいところも、自分も苦しみ(?)ました。
 2009年には続編 Pitt Ocha au Pays des Mille Collines がリリースされ、2013年5月(?)には第三弾が用意されているとのこと。

 ということで、今回は2枚。ちょっと調べようにも余り情報はなく、フランス語のページを英語に自動翻訳して四苦八苦、聴くにはなんの役にも立ってないところが空しいというか何というか。頭の体操だと思えばいいのかも知れない、数行の文章を書くのに半日を費やしたとしても。
 
by ay0626 | 2012-11-11 17:13 | folk