人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日常茶飯事とCDコレクション
by ay0626
検索
カテゴリ
無駄話
jazz
rock
folk
new age
radical-trad
trad
free improvisation
latin
現代音楽
音楽-その他
dark-wave
以前の記事
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
最新の記事
大坪砂男の粋 + ハット・フ..
at 2013-08-11 15:46
ブログの内容 ちょっと変更 ..
at 2013-08-04 15:59
大人のロック、洗練された音、..
at 2013-07-27 14:49
変容するフリー アルバート・..
at 2013-07-20 14:20
ベースの可能性・無伴奏の魅力..
at 2013-07-07 21:31
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
音楽
オヤジ
画像一覧

大坪砂男の粋 + ハット・フィールド & ザ・ノース

 体が熔けるんじゃないかと思うような気温が続く。今年の天気は極端で、「経験したことのないような大雨」が中国地方や東北地方で降るかとおもうと、一方で6年ぶりに40℃を超えるような気温が山梨でも高知でも観測される。自分が住んでいるところは、雨は少なく太陽はじりじりと肌を焼く、外に出るなといわれているようなもんだ。ということで、冷房の掛かった部屋で昼寝ばかりしている。

大坪砂男の粋 + ハット・フィールド & ザ・ノース_a0248963_15594669.jpg 読書はのろのろと、それでも少しずつ積読状態が解消されていく。大坪砂男も読み進めていて、3巻収録の『私刑』は久しぶりに読み返して、へぇ、こんな話だったのか、と改めて感心した。大坪といえば『天狗』や『零人』のように観念的な論理の積み重ねみたいなのばかりだと思っていたのが、こんな日活の無国籍アクションのような作品を書いていた訳。昔、全集版を読んだ若い頃は、この面白さが判らなかったのだろう、余り良くない印象ばかりが残っていた。
 戦後のやくざ世界を描いた本作は、一人称の主人公ももう一方の主人公の清吉もなかなかカッコ良い、特に一人称主人公の肝が据わっているのに女にはある意味弱い、潔癖なところなんぞ、なかなか良い造形。清吉もその世界を厳しく生き抜いてきたことを座布団の挿話で見事に描き出している。お桑という小娘の気風の良さ、お侠さもなかなかで、それが運命に絡め取られ、最後に全ての人間関係が一挙に明らかになると同時に、さっと幕を下ろす終末も、若干書き急ぎの感じは無きにしも非ずだが、例えば『天狗』の最後の一行と同じような余韻がこの作品の最終行にもある。多分、初読時は『天狗』の印象が強く、高踏な作家と思っていたのだろう、それがこんな世俗的な(やくざ映画の如き)作品を書きゃがって・・・と反発するところがあったのだろう。
 探偵小説的なトリック(黄金仏の隠し場所)の面白さとべらんめぇ調の文体のリズムもあって、スルスル読める割には、最後が判り難いといえばその通りで、その人間関係が若干因果話めいてしまったのは、根が真面目だったからか、それでも「探偵作家クラブ賞」を受賞するだけの価値のある作品ではある。
 4巻の『零人』もぽつぽつと読んでいる。『零人』、再読してみると、ちょっと観念的な会話が却って幼稚に見えてしまって、ちょっとガッカリ。決して出来が悪いと言うわけではないが・・・・。昔読んだときは何かもっと凄い印象があったような気がするのだが(中学生のガキを驚倒させる程度の高尚さ、といったところか)、まぁ、初読時から40年も経てばそんなもん、なのかも。

 ゲームは、『逆転検事2』なかなか進まず。やっと最終話に辿り着く。感想は後日。

大坪砂男の粋 + ハット・フィールド & ザ・ノース_a0248963_160544.jpg さて、音楽は Hatfield and the North の一枚目、1973年作品。Virgin レーベルの初期作品のひとつで、非常に印象的なジャケットを持つ。CDサイズだとどのジャケットも迫力に欠けるが、LPだと30cm × 30cmと画面が大きいので、ジャケットの持つインパクトは今とは比べ物にならない。Virgin の初期作品だと最も有名なのが Mike Oldfield の Tubular Bells が映画『エクソシスト』に使われて一躍有名になり、その影響で Henry Cow や Hatfield の一枚目が目出度く日本盤としても発売されることになった。もともとそう売れるような音楽ではなく、そういう意味では Tubular Bells 様々といったところか。
 Hatfield は所謂カンタベリー派の有名どころの集まったバンドで、メンバーは Phil Miller (g、Wyatt の結成した Matching Mole に参加していた)、 Pip Pyle (ds、Gongの元メンバー)、Richard Sinclair (b, vo、Caravanの元メンバー)、Dave Stewart (kbd、 Matching Mole と Caravanの元メンバー)。もともとは、Steve Miller がキーボードとして参加していたのだが( Phil Miller の兄弟とのこと)、レコーディング時にはこのメンバーになっていた。
 ジャズ的というか、インスト中心の演奏で、流れるような感じ、特にエレキ・ピアノが印象的。印象的な歌曲があるわけではないし、曲も独立していなくて組み曲風に演奏される。 Sinclair の声も(悪くはないが)特徴的なところがないため、大衆に受ける要素は皆無といってよい。かくいう自分も、出だしから聴けば Hatfield と判るが、一部を切り離して聞かされると『どっかで聴いたような音楽だなぁ』と思う程度、一度テレビのニュースの音楽で彼らの音楽が流れたときがそうだった。
 4曲目の Calyx は Wyatt の声が充分に聴ける佳曲、素晴らしい出来。Wyatt のアルバムにも収録されている。The Northettes という女性コーラス隊も活躍しており、そのうちの Barbara Gaskin はその後 Dave Stewart と長い活動を行うことになる。
 とういことで、何度も聴いているとスルメのように芳醇な(?)風味が口いっぱいに広がります、などと適当なことを書いているが、事実その通りで、美声や覚え易いメロディーがある訳ではないので聴きこまないと良さが判らないところがある、その割には、読書のBGM としても良く使ってはいるのだが。

 来週は、お盆。もともと旧暦の7月15日を盂蘭盆とよんで、祖先供養したもの。一般的な8月13日から15日というのに根拠はないらしい。まぁ、8月には祝日がなく、くそ暑い中働いても生産性が上がる訳もなかろう、ということでお盆が定着したのではないかと思うのだが。うちも初盆ということで、対象となれば面倒なことではある。
by ay0626 | 2013-08-11 15:46 | rock