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日常茶飯事とCDコレクション
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その後のヘンリー・カウ 奇妙なポップ・サウンド ジョン・グリーヴス

 梅雨が明けたら即暑さ満開状態で35℃を超える猛暑日が3日ほど続いたと思ったら、昨日から気温がぐんと下がり、肌寒い感じもする。明日は二十四節季の大暑、一年で最も暑い時期に突入していく訳だ。50歳を過ぎると、これほどの寒暖の差は体の不調の原因となる、暑いよりも良いのかも知れないが、ちょっと冷房が掛った部屋にいると鼻の奥がもぞもぞし出し、くしゃみを連発することも。昔は、冷房が効いていないと腹を立てたものだが、この頃は効き過ぎた冷房に腹が立つ、いい加減なものだ。

 この前、Samla を聴く宣言をしたのに、一向にその話題にならないじゃないか、とお叱りを受けそうだが、猛暑日には流石に CD サルベージもキツイ、とういことで Samla のアルバムは、Kaka と Dear Mamma の2枚しか聴き返していない。ということで Samla についてはもうちょっと後で。やはり、何回かは聴いておかないとレヴューするにも失礼でしょう。

 ということで、先日サルベージを完了していた Henry Cow 関係から。John Greaves は、90年代までのソロを見ていくことにする。今回は Kew Rhone と80年代のソロ2枚。

 John Greaves という人を見るときいつも思うのは、バンドにいることとバンドの思想とはあまり関係のないこともあるものだということ。判りにくい言い方になってしまったが、Henry Cow というある意味、思想に裏打ちされたバンドに在籍したのに、彼には思想的な背景が全く感じられない(Art Bears のファースト時の Cow 内部のゴタゴタには関係していない、というより思想的な先鋭さが明らかになって来る頃、Cow に見切りを付けたということかも知れない)。非常に趣味的な人なのに、例えば Chris Cutler とも付き合いが長い、思想云々というよりも付き合って楽しいが優先されたのか、思想に凝り固まった人は付き合い難い筈なのに、なにか飄々と付き合ってしまっているという感じか。音楽的にも、Cutler や Frith 、Hodgkinson とは異なり、ポップ・ミュージックへの親近感が露だ。Tim Hodgkinson が Work でやったような明らかなわざとらしさは彼にはないように思う。

その後のヘンリー・カウ 奇妙なポップ・サウンド ジョン・グリーヴス_a0248963_1723348.jpg John Greaves は1950年の生まれ、ケンブリッジ大学出身の秀才。Cow の設立者である Frith 、Hodgkinson ともケンブリッジだから、その関係でバンドに加入したのかも。69年には既に Cow の一員であったようで、75年3月に脱退するまでバンドの屋台骨を支え続けた訳だ。脱退した後、バンド仲間であった Peter Blegvad と意気投合、ニューヨークで Kew Rhone を録音する。この1977年のアルバムは、Greaves が作曲、Blegvad が作詞を担当、ヴォーカルの Lisa Herman との3名連名のアルバムとなっている。
 非常にポップ・センスのある名曲揃いのアルバムで、Blegvad の歌詞が凝っている(Slapp Happy 時代もそういった評価が多かった)とのことだが、日本人の悲しさ、音楽の凝りようは判るが歌詞の凝りようは判らない。ジャズ的なアレンジの中に印象的なメロディーを持った曲が息付く、特にアルバム表題曲は(後に Songs というアルバムで再度録音されるのだが、そのヴォーカルは Robert Wyatt!)、変わったメロディーを持つ名曲。
全面的に Mike Mantler ~ Carla Bley ご夫妻が協力、ジャズっぽい感じは彼らのアレンジによるところ大、ドラムは Andrew Cyrill 、70年代前半の Cecil Taylor Unit のメンバー! ちょっとびっくり。Mike Mantler ~ Carla Bley は、Watt というレーベルで自身のビッグ・バンドのアルバムを出しており、Robert Wyatt が何枚かゲストで参加、その関係でこのコラボレーションが成立したのかもしれない。Mantler ~ Bley の Watt レーベル作品では、87年 Live 、97年 The School of Understanding に参加している。

その後のヘンリー・カウ 奇妙なポップ・サウンド ジョン・グリーヴス_a0248963_17233031.jpg Kew Rhone の後、National Health に参加していた関係で、最初のソロ作品は80年代に入ってから。Europa というレーベルから、82年に Accident というタイトル作品を発表。ここでも歌詞は2曲を除き Blegvad のペンによるもの。
 内容的にはポップ・ミュージックの範疇だが、ところどころにアヴァンギャルドな雰囲気を漂わせて、やっぱり Henry Cow に在籍した人だと思う。80年代初期という時代背景のせいか、シンセサイザーを使い過ぎのような感はあるが、落ち着いた渋い曲が多い。女性ヴォーカルの使い方も効果的だ。

その後のヘンリー・カウ 奇妙なポップ・サウンド ジョン・グリーヴス_a0248963_17235148.jpg 次のソロは、84年の Parrot Fashons 、同じく Europa レーベルから。ロック色・バンド色が強くなっている、前衛色をすっと忍び込ませてくるところなど前作と同様。ベースだけではなく、ピアノにも重点を置いた演奏になっている。この頃には活動の拠点をパリに移していたようで、Gong の Mirelle Bauer や Julverne の Denis Van Hecke (cello)などが参加、後に The Lodge で再び共演する Kristoffer Blegvad (Peter Blegvad の弟) も加わっている。
 この前、ライヴで聴いた名曲 How Beautiful You Are はこのアルバムの2曲目、ピアノの弾き語りとは大分雰囲気は異なるが。Henry Cow の Live でも演奏された Bad Alchemy も5曲目にクレジットされている。

 集団として十把一絡げにされがちだが、一人一人を見ればその人なりの個性はある。Henry Cow の各人の音楽活動を見るとき、人の個性の重要さを考えてしまう、深刻な話ではないのだが。 
by ay0626 | 2012-07-21 16:00 | rock