日常茶飯事とCDコレクション
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タグ:robert wyatt ( 2 ) タグの人気記事

枯れた淋しさ、音の少ない音楽 ロバート・ワイアット (2)

 昨日突然、東京都の石●知事が国政に進出するとかで、知事を辞任することにしたようだ。80歳にして元気なもんで、将来の日本を心配するよりも明日の自分の健康を心配しろよ、などと言いたくなってしまうのだが、やりたいことをやるのが一番楽しいんで、日本のため未来のためとはいいながら、そういう政治活動が自分にとっては楽しくて楽しくて!(注目されるの大好き!!!)、彼もあの年齢になれば「自分が誰よりも偉い、自分が一番」、甚だしく自己満足できる訳。ということで、彼には期待しない、それは当然といえば当然、責任を取れるほど頭脳明晰なままであと何年も活動できるなど、どう考えても不可能ではないか、せいぜい世迷いごとを撒き散らかしてくれ。

 この元気のよい爺さんに比べ、歳よりも枯れてしまったのが Robert Wyatt 、階段から落ちなければ、ヒッピー・フリークな人生を送ったろうに、下半身不随になることで世の中の不条理を知り、そこから共産主義の方向に向いてしまうのが70年代中盤の時代の趨勢というところか。
 静かな抗議という感じのプロテスト・ソングから、音数を減らした90年代初頭の Dondestan まで、実をいうとこの時期の Wyatt 、そう好きではない、主義主張が出過ぎているのは仕方ないとしても、音楽的な実験性や楽しさが少ないように思えるからだ。

a0248963_1435674.jpg Wyatt は、Rock Bottom 期の1974年2枚のシングル盤を出している。後にボックス・セット EPs (99年)の Disk 1 に纏められる、I'm A Believer / Memories 、Yesterday Man / Sonia がそれだ。演奏メンバーは、Fred Frith 、Dave MacCrea 、Richard Sinclair 、Nick Mason 、Mongezi Feza 、John Greaves 、Gary Wind などのお馴染みのメンバー。もともと、ポップ感覚のあった人だと思う、特にロックのヴォーカリストといえばフロントの一番映える位置にいるので(Wyatt はドラマーなのでそうもいかないが)、自然と人に見られる快感を知り、ポップなエンターテインメント性を身に付く(と勝手に想像)。そんな部分が結実した2枚、どちらも60年代半ばのヒット・ソング、聴いていて良い曲だなあとは思う。EPs の Disk 1 には、後に(2005年)に全貌が明らかになる74年の Wyatt 復帰ライヴ(Theatre Royal Drury Lane)の1曲 Calyx が加えられている。それから長い沈黙が続き、そのため自分の Wyatt に対する興味も薄れ、次にリアル・タイムで聴くアルバムは97年に久々にリリースされた Shleep からとなる。

a0248963_14352831.jpg 82年には、久々に2枚のアルバムが発表される。まずは、Nothing Can Stop Us 。これは、80年から81年にかけてシングルで発表した作品を集めたもの。冒頭の Born Again Cretin は Wyatt のオリジナルだが、At Last I Am Free や Strange Fruit など、その系統の名曲が並んでいる、世界のプロテスト・ソング集といった感じか、まだ多少のゲストの入った、サウンド的にも聴けるものとなっている。ただし、最後の2曲は完全な蛇足、何れもシングルB面に入っていた他人の曲で、インド音楽だったりポエット・リーディングだったりで、乖離感甚だしい。同時期にシングルで出た Ship Building (B面の Memories of You 、Round Midnight も同時に)を加えて、最後の2曲を削除した方がいいのに、と思っている。Ship Building は、E. Costello が作曲した傑作で、ウッドベースの音が素晴らしく、ドラムとピアノというシンプルな伴奏に Wyatt の哀しい声が鳥肌ものの出来。先に紹介した EPs の Disk 2 として、Ship Building 、Memories of You 、Round Midnight の3曲と86年の Pigs...(In There) 、88年の Chairman Mao (毛沢東!!!)(いずれもコンピレーション収録曲)が収められている。
 もう1枚が The Animals' Farm 。動物実験に反対する立場で作られた映画のサウンド・トラック。一世代前の前衛音楽といった感じの締まらない、詰まらない曲。60年代末であれば、サイケなんとかで評価もされたろうが、80年代に入ってこれでは全くお話になりません。まあ、映画としても有り勝ちなテーマで左翼の方々が好みそうではある。EPs の Disk 4 として収録。

a0248963_14355222.jpg 84年には4曲入りの EP Work in Progress 発表。これも、Nothing Can Stop Us と同傾向の作品。殆どの演奏を Wyatt 一人でこなし(1曲のみ Hugh Hopper 参加)、シンプルな傾向が強まっていく。前述 EPs の Disk 3 として収録。
 85年、久々のフル・レングスのアルバム、Old Rottenhat 発表。全く一人で演奏を行ったこのアルバム、音数を少なくして、パーカッション以外は全てキーボードの音、ヴォーカルの抑揚も少なく、昼寝の友ならいいがちゃんと耳を澄まして聴くにはかなり退屈。詩を拾い読みしても、左翼傾向は変わらない。しかし、この全体から来る枯れた感じ、非常な寂寥感はなんだろう。80年代から90年代半ばに掛けて、妻の Alfreda Benge と二人、半ば隠遁生活のようなものだったのかも知れない。退屈で、ある意味羨ましい身分ではある。

a0248963_14361220.jpg 80年代前半は、それでもシングル・リリースなどはあり寡作ではあったが、何年も消息が途切れるようなことはなかった。しかし、80年代半ば Old Rottenhat 以降は、殆ど情報のない状態になった。91年、唐突にフル・アルバム Dondestan が発表される。この頃には、共産党との関係は終わっていたようだが、前作と同様の傾向のアルバムで、歌詞にもその傾向は残っている。Henry Cow のような過激さではなく、自分が弱い立場になって、周りには弱く守るべき対象が多いことが判った、その優しさが故の左翼接近とすれば、共産主義の党派性の持つ教条主義、権威主義的な体質が嫌で離脱していったのか、とも思う。
 ジャケットの Robert と Alfreda が部屋の大きな窓から海を見ている絵が、このアルバムの感じをよく現している。Alfreda の絵は、Wyatt のアルバム群に統一感を与えると同時に、彼の声の「柔らかな哀しみ」のようなものを上手く現しているのではないかと思う。

 90年代半ばから、ちょっとした変化が起こってくるのだが、それはまた別項で。
 現在 Wyatt 67歳、Alfreda 72歳、平和な老夫婦。いいですねぇ。Dondestan のジャケットはまだ40歳代ですか、確かにまだ若いです、その割には枯れてます。音楽は余り枯れるのはどうかと思う、久しぶりに Wyatt の80~90年頃の音楽を聴いてみて。
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by ay0626 | 2012-10-26 11:03 | rock

ロバート・ワイアットの初期3枚

 大学時代は、ジャズばかり聴いていたような気がするが、ロックもまあまあ聴いていた。ターンテーブルに乗る回数は、8対2くらいでジャズのが多かったが。

 ジャズは、そんなに聴きやすい音楽ではない、多分直情的な高校生諸君にとっては好きになるまでに相当な時間が要るのではないかと思う。それは、若い人にはメロディを追うことが音楽を聴くことで、テーマメロディが短いうえ、各人のアドリブが覚えられない(別にアドリブを覚えてもしょうがないが)ためではなかろうか。そういう意味で、大学生になって暇を持て余し、じっくり音楽でも聴いてみるかという気になったとき、初めてジャズを齧るのもひとつの手ではないかと思う。正統的なジャズが新録で出る本数が少なくなっている今(クラッシック音楽と同様、過去のものが正しく、現在のものが貶められる。多分正統的ジャズは滅び行く音楽なのだろう)、ジャズを趣味にすれば、1,000円以下でほとんどの過去の名盤は揃う。長く楽しめること請け合いである(自分は正統的ジャズはあまり趣味でないと明言しておこう・・・無責任だが)。

 閑話休題。かくいう自分も高校時代はロック少年であった。当時一番気に入っていたのが、King Crimson。若干の即興性(ジャズ的なといっていい)、現代音楽的な要素もあって、スノッブな高校生を喜ばすには十分な魅力を備えていた。特に、Islands のLP A面の構築力の凄さは、静~動~静の対比、現代音楽的要素と生音の多用、狂気の描出などと相俟って素晴らしいの一言。録音当時25歳程度の若造がここまでやって見せたわけだ。
 そんな頃、新興レーベルとしてにぎにぎしく登場したのがヴァージン。今のような大企業ではなく、会員制の通販専門レコード会社で、そのカタログの多くがアヴァンギャルド・ロック。最初の大ヒットが映画「エクソシスト」の音楽である Mike Oldfield の Tubular Bells。Robert Wyatt のRock Bottom もその中の一枚であった。
a0248963_19434621.jpg
 アヴァンギャルドとプログレッシヴの違いは今となっては明確だが、当時は同じようなものという認識。だから Rock Bottom を聴いたときの最初の違和感はそこにあったのだと思う。
 Sea Song から始まり Little Red Robin Hood Hit The Road までふわふわとした浮遊感から突然のトランペット乱舞、バスクラリネットの脅すようなソロ、笑い声で唐突に終わる最後まで、何度聞いても飽きない。特にSea Song の美しさは特筆物で、坂本龍一が後年「世界で一番悲しい声」といったのも頷けるというもの。狂気を孕む詩は、Rainbow's End さんのレヴューに素晴らしい訳があります、一見どころかその他見所満載なので、ぜひ覗いて見ましょう。この全体に漂う諦観、悲哀感は、やはりバスドラムとハイハットが演奏できなくなったことによるのだろうな、そういえば富樫雅彦の Song for Myself にも同じ感じがした。今ではそんなにターンテーブルに乗るアルバムではないけれど、年に数回は聴きたくなる名盤。

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 1~2年のインタヴァルをおいて発表されたのが、Ruth Is Stranger Than Richard。Rock Bottom に相当イカレテいたので、発売と同時に買いに走った。うっ、何かが違う、高校生の頭の中は「購入に失敗した、2,500円もどうしよう・・・」との考えでいっぱい、その後大学生になるまでほとんどターンテーブルに乗ることはなかった。
 ほとんどジャズアルバムといえるこの作品は全体的に明るい雰囲気に包まれ、特に Side Ruth (Side B)はその傾向が強い。Fred Frith との共作も多く、Henry Cow 一派との繋がりや南アフリカ勢(Mongezi Feza, Gary Wind)、Soft Machine 関係など人脈も前作から一段と豊かになっている。また、Team Spirit や Song for Che (Charlie Haden の Liberation Orchestra からの曲)など共産主義へののめり込み具合も見て取れる。そして、Benge との関係の強さ、これからずっとアルバムジャケトは彼女の手によるものとなる。
 というわけで、大学で多少ジャズを齧り、レコメン一派の動向を知り、そうして初めてこのアルバムの愛らしさや意図が分かって、前の数倍以上ターンテーブルには乗るようになった。名盤とはいわないまでも好きなアルバムではある。

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 最後に The End Of An Ear。Wyatt の初ソロアルバム。これはずっと後年になって入手した一枚で、その頃には Soft Machine からカンタベリー、レコメンと大体は聴いた後なので「まあ、そんなものかな」というのが率直な印象。多分、階段から転げ落ちていなければ、この手のアルバムを複数枚は作っていただろうと思う。もっと若いときに聴いていたら違った印象を持ったかもしれない。

 これ以降のアルバムについては項を改めるとして、Rock Bottom は一聴の価値あり!と強調しておきます。
 
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by ay0626 | 2012-01-04 17:48 | rock